こんにちは、胚培養士です。
6月21日に名古屋大学医学部附属病院で開催された、「第46回中部生殖医学会学術集会」に参加しました。
中部生殖医学会には日本生殖医学会会員のうち、中部地方で活動する医師や胚培養士が多く参加しています。今回の学術集会には胚培養士3人が参加しました。
生殖補助医療の分野だけでなく、婦人科系の演題も多く発表され、非常に活発な議論がなされました。
当院からは「組成の異なる培養液を用いた体外受精における受精および培養成績」、「初回融解胚盤胞移植におけるアシステッドハッチングの有用性」の2演題の口頭発表を行いました。
今回発表したテーマの「培養液」について、簡単にご紹介いたします。
卵子や胚は成長段階によって必要な成分が異なります。そのため培養液も胚の成長段階に合わせたものが販売されています。
今回取り上げた培養液は体外受精で用いられる「受精培地」というもので、受精に特化した成分が含まれる培養液です。受精培地も複数の会社から販売されていますが、それぞれ含まれている成分が異なっており、培養液の選択は受精率向上のために重要です。当院では培養液の検討を行い、患者さまの胚にとってより良い環境で培養が行えるよう努めています。
受精やその発育環境についてはさまざまな研究が行われ、その内容は日々進歩しています。これからも最新の知見を取り入れ、培養技術の向上により一層励んでいきます。