こんにちは。培養士です。
突然ですが、胚移植を行う際に使用する培養液にはいくつか種類があるのはご存じでしょうか。
当院で使用している移植用培養液は、通常培養液、高濃度ヒアルロン酸培養液、GM-CSF培養液の3種類があります。
簡単に説明しますと、通常培養液は胚培養に使用される一番ベーシックな培養液です。
高濃度ヒアルロン酸培養液は、ヒアルロン酸が多く含まれる培養液です。
ヒアルロン酸は、受精卵の表面と子宮内膜とを結び付けて着床を助ける働きがあり、妊娠率が改善したという報告があります。
GM-CSF培養液は、細胞の増殖や分化を促進するGM-CSFが含まれています。
受胎時の生殖官内の環境が再現されるため、妊娠継続率が改善したという報告があります。
当院では保険診療の場合、基本的には通常の培養液をご案内させていただきますが、患者様の背景や移植回数によって高濃度ヒアルロン酸培養液をご提案させていただいております。保険診療ではGM-CSF培養液は使用することが出来ません。
また自費診療の場合には、医師とご相談の上、高濃度ヒアルロン酸培養液やGM-CSF培養液をご選択いただくことが可能です。
ご希望が特になければ、通常培養液を使用させていただきます。
胚移植をお考えの方は、培養液の種類についても是非ご検討いただけたらと思います。