当院では、先進医療のタイムラプスインキュベーターを用い、受精卵の観察を行っています。
◎受精卵を外に出さずに観察します
インキュベーターとは、受精卵(精子を受精した卵子=胚)を移植胚(子宮内に戻す卵子)に育てる培養器です。インキュベーター内は二酸化炭素濃度や酸素濃度など、お母さんのお腹の中を再現した環境が保たれています。
従来のインキュベーターは状態を確認するため、受精卵を培養器から取り出して観察します。しかし、受精卵は空気にふれると大きなストレスがかかり、ダメージを受けてしまう可能性がある点が問題点でした。
タイムラプスインキュベーターは顕微鏡機能を持つ高性能カメラを備えており、培養器内の受精卵を外に出さずに一定間隔で自動的に撮影し、観察できます。培養器の外に出さないため受精卵にダメージを与えず、多くの精密データを得られる点がタイムラプスインキュベーターの特徴です。
タイムラプスインキュベーターを用いることで、より安全に、受精卵を妊娠率・出産率が高い移植胚に育てやすくなります。
メリットその① 空気にふれず、安定した培養器の中で受精卵を観察できる
メリットその② 受精を判断する前核の状態を確認できる
メリットその③ 高性能カメラにより、受精卵の発育過程を連続画像(タイムラプス画像)で精密に観察できる
◎国が定める高度医療技術です
先進医療とは、厚生労働省が定める高度医療技術の一つで、公的医療保険制度(保険診療)が適用されないものを指します。
日本の医療制度では一定水準以上の有効性と安全性が確認された医療行為のみが保険診療の対象になります。
先進医療は大学や研究機関では一定の有効性は認められているものの、保険診療となる基準を満たす有効性と安全性については評価段階にある治療法です。
評価段階にあるため保険は適用できませんが、先進医療によって治療の選択肢が増え、患者様のご希望に沿った治療法をお選びいただけるメリットがあります。
◎先進医療は保険診療と自費診療を併用できます
先進医療は自費診療(自由診療)ですが、保険診療を併用して治療を受けられます。先進医療で自費となるのは「技術料」のみです。診察料や検査料、投薬料など、技術料以外の診療項目は保険が適用されます。
≪先進医療の診療費のイメージ≫
保険適用診療(診察料、検査料、投薬料など)+先進医療(技術料)=保険+自費
タイムラプスインキュベーターを用いた培養は先進医療のため、自費診療となります。料金は32,340円(加算)です。
タイムラプス培養をご希望の方は当院へご相談ください。
なごやARTクリニック
院長
服部 幸雄
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